渋谷迷宮

駒場薔薇園

イメージ薔薇園入口 あるサイトで「秘密の薔薇園」なるものが紹介されていたので、確かめてみると正しくは「駒場薔薇園」という名称だった。驚いたことに、北冬書房から歩いてわずか6、7分のところにあったのである。駒場とあるから実際には目黒区に属するが、渋谷松涛町の松涛鍋島公園や松涛美術館から道路ひとつ隔てた位置にあった。しかし、井の頭線のトンネルわきに薔薇園があるなど想像もできなかった。いや、当地で70年以上も暮らしている老人すら知らなかったくらいだ。まさに「秘密の薔薇園」である。 
イメージ薔薇のアーチ あらためて訪ねてみた。なんと、これまでいくども入口の前を通っていたではないか。いや、普通の民家の入口と同じでは、その奥に薔薇園があるとはだれも予想しないだろう。くぐり戸を開け、路地を進むと薔薇のアーチがある。アーチをくぐったとたん、広々とした薔薇園が目にとびこんだ。
レッド、イエロー、ピンクと秋咲きの花でにぎわっている。そして、苗え木を求める夫人たちが次々と訪れる。バラ愛好家にとっては、「秘密」でもなんでもなく、きわめて有名な薔薇園なのだと気がついた。
イメージ薔薇園全景 駒場薔薇園の歴史は古く1911(明治44)年の開園だそうで、日本でもっとも古いという。現在は二代目の老夫妻によって維持されていて、園内には300種三万本が植えられている。苗木の販売が目的だが、見学するのも自由のようだ。当然、市価よりだいぶ安いし、バラの育て方を夫妻が懇切に説明してくれる。
  戦後しばらくまで、周囲には畑や田圃がひろがっていた。東京オリンピックまで、いまの環6はなく、そこには南北に細長く畑が広がり、薔薇園のもっと西の奥のほうからせせらぎが流れ込んでいた。だからこそ、田畑が広がる端に薔薇園があるとは思わなかったのかも知れない。それにしても、「灯台もと暗し」である。(2005/1/4)

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