山水巡礼

どんど焼き

イメージ茅野・泉野 信州の諏訪といえば七年に一度の御柱祭りが有名だが、松と藁で山をかたどった真冬のどんど焼きも見逃してはならない。どんど焼きは、三九郎祭りとも呼ばれるが、村の辻に立つ道祖神の祭りといっていい。松本周辺では、1月4日とか7日に行われたりするが、諏訪周辺では、小正月(1月15日)の前後14、15、16日に行われるところが多い。どんど焼きの起源は不明のようだが、天保年間の記録には残っているようなので、江戸時代からの生活風習である。ときの権力によってどんど焼き禁止令が出されたこともあったらしいが、「祟り」にあったとかの理由ですぐに復活したという。
イメージ茅野・宮川 無病息災、五穀豊穣を願う神事であるけれど、祭りは子どもたち小学生によって主導される。いまでは、大人がひとりふたり付き添うこともあるのだが、30年ほど前までは大人の参加はなかった。つまりは、子どもの自治管理による祭りであった。十人ほどが列をなし、先頭の太鼓を打ち鳴らし、「さんくろうまつりがはじまるよ〜」などと、はやし唄をも混ぜながら村落を歌ってまわる。最後尾のリヤカーには家々から供物や金銭が投げ入れられたりする。
イメージ原村・中新田暗くなった6時頃から始まるどんど焼きはじつに圧巻だ。道祖神のかたわらの田んぼの中は零下5度〜10度の極寒である。二十人、三十人の村びとが見守る中でのどんど焼きが終ると、子どもたちは近くのお堂や公民館に集まり、リヤカーに供された赤飯や果物や菓子で夕食を楽しむ。富士見や原村の大きなどんど焼きは、夜空を焦がすほどの火炎になるので現在では消防車も待機するほど。八ヶ岳山麓の茅野、富士見、原村周辺では、何十ヵ所もの辻々で盛大に催されるから、それは充分に幻想的である。地区によって藁山の形やダルマなどの飾りつけがそれぞれ違うのでそれも見もののひとつだ。(2012/2/5)

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(上段左より富士見・落合、平岡、茅野・上古田、中段左より茅野・粟沢、御座石神社、南大塩、下段は3枚とも原村・中新田)

 

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